砂質土や砂地盤は、平常時は砂の粒子の摩擦によって安定性を保っている。「液状化」とは、地下水位の高い砂質土の地盤に、地震などの振動が作用することによって、安定性を失い、流動しやすい液状に変化する状態を指す。液状化した地盤が圧力を受けた時に、地表面へ続く水路(みずみち)ができると、そこを通って地上に水と砂が噴出し、地盤が沈下することになる。地表面にある舗装や建築物などは、その力を受けて、破損や傾斜が発生する。その他、地中の支持力や安定性が損なわれるので、下水道などの配管についても、破損したり、勾配の変化が生じて下水が逆流したりといった、大きな影響が及ぶ。液状化後は水分が抜け、地震時の振動によって締め固まることが多い。「その後、水分が再度地中に進入しても液状化しにくいとみる人もいるようだが、再液状化の可能性は否定できない。適切な補修・改良を施すことが重要」です。又、大地震により被災した建築物の危険性については、応急危険度判定によって確認される。「応急危険度判定では、液状化による変形に対しての判定方法はない。建築部物の1階部分の傾斜角1/20を危険の目安とした考えで対応をされています。注意したいのは、液状化による傾斜は倒壊する危険がないほどの軽微なものでも、住まい手に健康被害をもたらすことがあるということです。傾斜した場所で生活を続けていると、三半規管に障害が発生し、原因不明の頭痛、めまい、吐き気が起きる等の後遺症が残るケースがあります。「傾斜は立っているときより寝ているときのほうが感じやすいので、ベット等を水平にして就寝するという応急策もありますが、出来るだけ早く傾斜を改修することが望ましいといわれています。しかし我々の生活圏である奈良市周辺において、液状化現象が発生したという事例はありません。