「所有者不明の土地が九州の面積を超えている」ことがニュースになったことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。2016年度の地籍調査では、全国2億3千万筆の土地の内20.1%、約410万ヘクタールの持ち主が誰なのかわからない、という状況でした。これは九州の面積、368万ヘクタールを遥かに超えています。そして、このまま放置すると、2040年には北海道と同じくらいの面積、約780万ヘクタールにも拡大する可能性があるとも言われています。2019年6月、この状況に対応するため、新しい法律が施行されました。「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」。この法律に基づいて出きることが幾つかあります。まず、「所有者不明土地を円滑に使う仕組み」として反対する
権利者がおらず、(簡易な構造で小規模なものを除く)建築物がなく、現に利用されていない所
有者不明土地について・・・・・・国か都道府県知事が事業認定した場合、審理手続きを省くなど収用手続きを合理化・円滑化し、速やかに所有権を得られるようにした。以上の法律は行政が
あまり所有権に手を出せない日本の状況の中では、大きな一歩です。これからは不動産登記を義務化するといったことも含めて土地の公共性を強くする。あるいは土地の所有を支えあうような仕組みを、所有権の自由さへ制限をかけることも含めて検討していくべき時期なのかもしれません。